- 頭のもやもやを無くしたい
- 今よりも頭の回転を上げたい
- 創造力や決断力をもっと高めたい
なぜあの人は即断即決できるのか。なぜあの人の頭の回転はあんなにも速いのか。
今回は、東京大学を卒業し、マッキンゼーという会社で120人以上の人材育成を行ってきた赤羽雄二の著書「ゼロ秒思考」で書かれているメモ術について紹介します。
このメモ術は、筆者が何万ページもメモを書き続いてたどり着いた思考整理の最高峰ともいえる方法です。
私が実際にゼロ秒思考で書かれているメモ術を1000枚ほど試して得られたメリットは以下。
- 頭が鍛えられた
- 仕事がうまく回り始めた
- 最も基本的な「考える力」を鍛えられた
- 頭のもやもやが解消され、すっきりした
- 抽象的に考え、本質から物事を考えられるようになった
- 新たな切り口から物事を見るため、斬新なアイディアや解決法が浮かんだ
- 思考・感情を紙に書き出すことで、生産性の向上やストレス指数を改善した
いちばんよかったことは、このメモ術を始めてからというものの、あらゆる悩み事が「ネタ化」したこと。もはや「悩み事=ネタ=ご褒美」という思考回路です。しかも、悩み事を具体的に解決する方法が凄い解像度でわかるんですから、ありがたすぎます。
そして、ゼロ秒思考のメモ術の1番評価できる点は、やり方は死ぬほどシンプルなところです。つまり、今日から誰でも始められます。
仕事人としての実力を1段階2段階とレベルアップしたい方はこのまま読み進めてみてください。
ゼロ秒思考で事前に準備しておくものは5つある
用意するものは以下の5つ。
- A4用紙(絶対、A4用紙であること)←理由は後述
- お好きなペン(モチベーションが上がるもの)
- タイマー(キッチンタイマーがおすすめ)
- クリアファイル(保存用)
- 貼ってはがせるテープ(整理用)

タイマーはスマホでもいいが、毎日続けるとなるとちょっとした準備がおっくうになる。100均のキッチンタイマーを1分に設定しておくと習慣化もしやすいだろう。他のものについては後述する。
ゼロ秒思考で書く内容は「なんでもいい」


ゼロ秒思考のやり方は、A4の紙に、頭に浮かんだことを1分間で書く。これを1日10枚行います。これを続けるだけで、思考のスピードが0秒に近づいていきます。(具体的なやり方は、後のパートで詳しくお伝えします)
そして、肝心の書く内容については、なんでもOK。自由です。とはいっても、逆にわかりにくいと思いますので、本書では以下のようなネタを書くといいとしています。
- 将来ビジョン、やりたいこと
- 人とのコミュニケーション
- チームマネジメント
- 新しいアイデア
- 考えたこと
- 情報収集
- 聞いた話
- ミーティング
あなたが現在、悩んでいることや、実行してみたいこと、深く考えてみたいことなど、なんでもいいのでテーマを決めます。私の場合だと、過去に以下のようなことをテーマに設定したことがあります。
例えば、「どうすれば毎日8時間勉強を続けられるか」とか、「どうすれば好きな人に思いを伝えられるか」とかです。以下のように、もっと抽象的な内容でもいいです。
- やってみたい仕事とその理由は?
- もっと人と楽しく接するためには?
- 今よりも1歩成長するためにやるべきことは?
- 今週中に優先的に済ませておくべきタスクは?
- もし今月中に死ぬならやっておきたいことは?



「お題を設定して、一定のルールでメモを書く」これがゼロ秒思考が至高である理由だ。
ゼロ秒思考のやり方を7ステップで詳しく徹底解説


やり方は以下の7ステップで行われます。(上の図解を見ながら確認するとわかりやすいです)
- A4用紙を横置きにする(裏紙推奨)
- 1ページあたり4〜6行、各行20〜30字書く
- 1ページを1分以内で書く
- 毎日10ページ書く(毎日10分行う)
- 書いたメモはなるべく夜寝る前に、内容別にクリアファイルに整理する
- 書いたメモは3ヶ月、6ヶ月後にサッと読む
- メモは捨てずにできるかぎり保管する
死ぬほど汚い文字ですけど完成図はこんな感じ。





他人に読まれることを想定していないから、マジで汚くて泣きたくなるレベル。でもそれでいい。
ほかにも例を挙げてみましょう。「どうすれば毎日8時間勉強を続けられるか」というテーマだったら、「朝5時半に起きる」「ゲームをやめる」「朝はスマホを見ない」「図書館やスタバで勉強する」「夜は22時に寝る」「1日2時間夕食後は好きな映画やYouTubeを見て息抜きする」といた具合。
とにかく直感に従って、解決策を提案していきましょう。
つぎに、なぜ上記のようなやり方をするのか、その理由について1つずつ触れていきたいと思います。
A4用紙を横置きにする(裏紙推奨)
大前提として、本書のメモ術の基本は「紙で書く」ということです。多くの人がパソコンやスマホでメモを取ると思いますが、メモは紙で書くべきです。おもな理由は3つ。
- 日記帳やノートだとあとで整理がしにくい
- スマホだとSNSなどの誘惑に流されやすい
- パソコンは立ち上げるのに時間がかかる
- 何よりイメージを書くときは紙に書いた方が手っ取り早い
ここで抑えておくべき点は2つあります。
それが、「必ずA4サイズの用紙で書くこと」と「なるべく裏紙を使うこと」です。
必ずA4サイズの用紙で書く理由
赤羽雄二はさまざまな紙でこのメモ術を試してみた結果、A4用紙が一番最強だと断定しています。著者がいろいろ試した結果、気持ちよく書けて効果があった紙のサイズだそうです。
A4用紙には1分で書きなぐるのに十分なスペースがある。逆にB5だと自由に書きなぐるには若干小さく、思考にブレーキがかかる。A3だと書ききれないからムダになるし、空白が埋まらないことがストレスになりかねない。(人は空白を嫌う)
あとで紹介する「ファイル整理」という観点からみても「A4サイズで最適化されている道具が多い」です。
なるべく裏紙を使う理由
「なるべく裏紙を使う」理由は「気にせず自由に書くため」です。
裏を返せば「紙をじゃんじゃん使うことに抵抗がない方は新品のA4用紙を使いまくってもいい」ということ。
私も裏紙がないときは、気にせず新品のA4のコピー用紙に書き込んでいます。どうせ死ぬほど書くので、思い切って大容量のものを買うとお得です。(先に投資しておくことでモチベーションにもなります)


とはいえ「紙を無駄遣いしたくない」という気持ちがあると、どうしても戸惑いますよね。私も最初に新品の紙を湯水のように使うことには抵抗がありました。1円を投げまくっている感じがして…。
でも赤羽雄二の以下の言葉で考えは変わりました。
毎日10ページ書き続けると、6ヶ月で1800ページ、1年で3600ページとなる。これは決して捨てず、取っておくほうがよい。自分の成長の証となる。(中略)メモの存在そのものが思考の積み重ねの証であり、自信の源になるはずだ。
引用:赤羽雄二「ゼロ秒思考」p108
ああ、「これは自分の”努力の結晶”であり、紙を積みあげるごとに誇っていいものなのだ。」と気づいてからは新品の紙でも抵抗なく使えるようになりました。



裏紙は普段から「ゼロ秒思考の素材用」として貯めておく場所を作っておくと便利だぞ。私は100均のファイルケースにすぐに置くようにしている。
100均に売ってます


1件1ページに4〜6行、各行20〜30字書く
1ページあたり4〜6行、各行20〜30字書くべき理由は「ちょうどいい量」の情報を書くことができるからです。
書く量が少なすぎると、思考が浅くなります。書く量が多すぎると、思考が散漫になります。
例えば、自分の感情や悩みを書くときに、1ページあたり4〜6行、各行20〜30字書くと、自分の気持ちを端的に表現することができます。書く量が少なすぎると、自分の感情や悩みを正しく認識できません。書く量が多すぎると、自分の感情や悩みに埋もれてしまいます。
したがって、ゼロ秒思考では、1ページあたり4〜6行、各行20〜30字書くことが推奨されています。
1ページを1分以内で書く
1ページを1分以内で書く理由は、スピード感を持って書くことで、頭の中にある思考や感情をそのまま紙に落とすことができるからです。また、時間制限を設けることで、集中力やモチベーションも高まります。
制限があると人はその環境に適応するように出来ています。例えば、学校のテストも「授業の時間内にすべて答案用紙に答えを書き込む」という制限時間があるから、脳力を解放して答案用紙を完成させます。
逆に、夏休みの宿題みたいに、長すぎる猶予があるとギリギリになるまでやりません。
このように、人は制限という縛りを与えられることで真の実力を発揮できるのです。
とはいえ、最初は1分が超短く感じて「あまり書き込めなかった!」という日が続くでしょう。でも、1か月ほどでスラスラと書けるようになるので安心してください。そう、「制限をクリアしよう」と毎日奮闘することは、それだけ人を劇的に成長させまくるのです。
毎日10ページ書く(毎日10分行う)
毎日10ページ書くことで、ゼロ秒思考を習慣化することができます。ゼロ秒思考を習慣化することで、思考力や判断力、感情コントロールなどの能力を日々向上させることができます。
例えば、自分の目標や夢についてを深堀りするために、毎日10ページ書くと、自分の目標や夢に対する意識や行動を常に確認することができます。書かない日があると、自分の目標や夢に対するモチベーションやコミットメントが低下します。書きすぎる日があると、自分の目標や夢に対する現実感やバランス感覚が失われます。
したがって、ゼロ秒思考では、毎日10ページ書くことが推奨されています。
書いたメモはなるべく夜寝る前に、内容別にクリアファイルに整理する
ゼロ秒思考では、書いたメモはなるべく夜寝る前に、内容別にクリアファイルに整理することが推奨されています。その際には書いたメモをざっくりと見ることで、メモ時の思考や感情のパターンや傾向を振り返ることができます。
このように、内容別にカテゴリ分けします。


人によってカテゴリの内容も数も千差万別。最終的には5~10カテゴリくらいで落ち着くはずです。


10枚の紙を整理するだけなので、3分ほどで終わる作業です。習慣化さえしてしまえば一切負担になりません。
ちなみにシールとクリアファイルはAmazonで購入しました。







クリアファイルは業務で意外と使うことが多くて100枚あって丁度よかった。人にあげれるし。でもラベルシートは多すぎた。業務で使わないなら正直いって25シートでも十分すぎるほど。
書いたメモは3ヶ月、6ヶ月後にサッと読む
このメモ術を続けていくと、膨大な数のメモが溜まっていきます。それらのメモを3ヶ月、6ヶ月後にサッと読んでみてください。
メモを見返すことで、自分の成長や変化を確認することができます。また、過去に書いたメモから新たな気づきやアイデアを得ることもできます。
例えば、ふとメモを読むことで、自分の目標や夢に対する進捗や達成度を再確認できたり、過去に考えてきたことが今の自分にとっての特効薬になることもあります。実際、私も「過去の自分メモ」に何度も救われました。
「昔の自分の思考×今の自分の思考」という2つの脳を使えるようなイメージですね。
メモは捨てずにできるかぎり保管する
メモは捨てずにできるかぎり保管してください。
これにより、自分の思考や感情の記録を残すことができます。
メモを保管する方法は色々ありますが、著者は紙に書いたメモをカテゴリー分けしてクリアファイルに入れておく方法をおすすめしています。これだと簡単に整理できて、必要なときにすぐに見つけられます。
実際に1000枚書いたあとのメモの束は圧巻です。


100均に売っているA4のファイルケースに1000枚ずつ保存しています。(これが3つめ)
1年続けて、眺めてみると一種の「確かな自信」が芽生えてきますよ。「問題=味方。紙が増えれば増えるほど問題に強い人間になれる」という確信が持てるようになるのです。
ゼロ秒思考のルールはアレンジしてもいい(私の場合)
私の場合は、以下のような緩いルールを取り入れています。
- 1ページ2分以内
- 毎日必ず3ページ以上
- 箇条書きで5個書く(文字数は自由)
- メモは毎月1度、1時間かけて整理する
「さっきまで偉そうにルールを語っていたのに!?」と思うかもしれません。それは、あくまで筆者のこだわりを歪めたくなかったからです。
私は弱いです。毎日10枚を1分だと脳のリソースを使いすぎて疲れてしまうことに気付きました。赤羽雄二ほどのエネルギーがなかったのです。だから私はルールを自分レベルに合わせました。
それでも、前述したような効果を確かに実感出来ています。このやり方は賛否両論あるかもですが、私にはベストだったようです。
ちなみに、毎日3ページでも年間1000枚は超えます。それを約3年間続けているので現在では3000枚近いでしょう。



ゼロ秒思考のやり方が難しくて続けられるか不安なら、もう少し自分に優しくしてあげよう。そして「自分のやり方」を模索してみてくれ。
おわりに:ゼロ秒思考はあなたの「判断力・思考力・行動力」を爆速(ゼロ秒)にする。


いかがでしたでしょうか。
以上が「ゼロ秒思考」の主な内容です。
この本を読んで、私は自分の思考や決断の仕方を見直すことができました。普段から自分に関係することや興味のあることについて、ほぼ迷わず即断即決できるようになりました。また、「判断力・思考力・行動力」といったステータスがグンと上がって自信を持つことができました。
皆さんもぜひこの本を読んで、ゼロ秒思考の方法を身につけてみてくださいね。