こんにちは、SHO(@SHO_0113_)です。
当記事に訪問していただきありがとうございます。
今回は「アニメを2000時間以上見続けたひとりの男」が、アニメ大国日本による神作アニメ映画を厳選に厳選を重ねた15作品をランキングにしてみました。
日本のアニメは濃密なストーリーや作画が本当に素晴らしいものばかりで、当初は15作品に絞るのは胸が締め付けられましたが、完成したときに作ってよかったという思いでいっぱいに溢れました。
本日紹介するアニメ映画は、世界的人気を博した作品も多くあるなかで、まだまだ知られていないような名作もひょっこりとランクインしているので、アニメ好きであれば初心者~上級者の方まで楽しめるような作りになっています。
観てない作品が一つでもあるならぜひヒトコト言わせてくれ。
何も言わず、すべて観てくれ!!
それでは早速、管理人が心の底からおすすめできるアニメ映画を紹介していきます!
どうぞ最後までお付き合いください☆
- 神作であること
- 予備知識0で楽しめるもの
- レンタルやVODで楽しめること
第15位 屍者の帝国(2015)
21グラムの魂に問われる「生」と「死」の物語。
19世紀末のロンドン。死者蘇生技術の進歩により、屍者が労働力として活用されていた。医学生ジョン・H・ワトソンは親友フライデーとの生前の約束に従い、自らの手で違法に屍者化を試みる。その行為は英国政府の諜報機関、ウォルシンガム機関の知るところとなり、ワトソンはその技術と魂の再生への野心を見込まれてある任務を命じられる。それは、一世紀前にヴィクター・フランケンシュタイン博士が遺した、まるで生者のように意思を持ち言葉を話す最初の屍者ザ・ワンを生み出す究極の技術が記されているという「ヴィクターの手記」の捜索だった。ワトソンは屍者フライデーを伴いロンドンを発つことに。親友の魂を取り戻すための世界を巡る壮大な旅が始まろうとしていた ── (LUCKYNOWより引用)
内容自体の難しさを考えると少々クセの強い映画ですが、残虐的なシーンやダークファンタジーSFが好きな方にはおすすめします。
それ以外にも、
「生」について
「死」について
「人間」について
について学びがあるので深い映画を観たいという方にもおすすめできます。
難解な設定ならではの考察を楽しむのもよし。
娯楽として割り切って楽しんじゃうのもアリな作品です。
なぜなら作画の美しさとストーリーのテンポのよさは、一本の映画としてみても高く評価できる作品だからです。
人間の本質に迫る壮大なテーマをおさえながら、闇の世界の視点を描いたストーリーは、息を呑むこと間違いなしの作品です。
監督 | 牧原亮太郎 |
再生時間 | 2時間 |
公開年月 | 2015年10月 |
受賞歴 | ー |
第14位 サカサマのパテマ(2013)
新・感・覚・設・定
「かつて、多くの罪人が空に落ちた」地下に住む少女、パテマはある日謎の「コウモリ男」に襲われ地中を貫く大空洞の中に落ちてしまう。彼女が落ちた大空洞の下にはなんと真っ青な「空」が広がっていた。「空」に落ちそうになったパテマは少年エイジによって助けられ、エイジ達の住む世界「アイガ」と自分たちの世界は重力が逆転しているということを知る。「アイガ」に伝わる言い伝えでは、かつて重力をエネルギーに変換しようとした科学者達が実験に失敗し、その地域一帯の重力が反転、多くの人や建物が空へと”落ちて”行った。と言われていた。重力が逆転しているパテマは建物やエイジに捕まらないと空に吸い込まれていってしまう。その「サカサマ人」であるパテマが「アイガ」にやって来たことを国の君主・イザムラが知り、残りのサカサマ人の居所を聞き出し駆逐するために彼女を捕獲しようと動き出す(monographより引用)
そして、 臨場感が凄いので新鮮な映像体験を求める方にもおすすめです!
この作品で一番最初に目に止まるのは、パテマがとにかく魅力的な人物でとってもキュートなヒロインだということです。
ヒロインの見た目ってめっちゃ大事ですよね(笑)
もちろん、かわいい女の子の垂れ流し映像だとしたら今回ランキングに挙がることはなかったでしょう。
この作品の最大の魅力は”サカサマ”という世界観設定をとても上手に使うことによって唯一無二の作品に仕上げた点にあります。
重力反転世界、地の底の冒険、空の上の冒険と知的好奇心をくすぐる内容が盛りだくさん。
重力も反転しますが、世界のヒミツも二転三転していくのもこの映画に奥深さを与えています。
レビューなどでは数多くの謎や疑念を残した結末に、不満の声をあげている方がちらほら見受けられますが、ぼくの考え方はその逆で、観終わった後の想像力を掻き立てる行為そのものを楽しめるような工夫が凝らされているのだと感じました。
監督 | 吉浦泰裕 |
再生時間 | 1時間39分 |
公開年月 | 2013年11月 |
受賞歴 | ー |
第13位 虐殺器官(2017)
人の残虐性の本質に迫る異端作品
戦争やテロリズムが激化した時代、先進国ではテロ対策が敷かれていました。そして、それが沈静化すると、今度は後進国で紛争が頻発し始めます。事態を重く見たアメリカは、情報収集及び戦争を扇動する人物を突き止めるため、戦の現場に軍人を送り込み、暗殺させる作戦をとりました。主人公のクラヴィス大尉は、暗殺任務を遂行する人物の1人でした。そして、テロの実態を追う内に、虐殺を扇動しているのがアメリカ人のジョン・ポールだということを突き止めます。ジョンは「人間には虐殺を司る器官が存在する」と説いており、サブリミナル効果の如く、とある文法を使って人間の虐殺器官を機能させる事で、テロリズムを操っている人物。クラヴィスはジョンと接触した事で、元々抱えていた殺しへの葛藤や己と強く向き合っていくのでした。(CIATRより引用)
「殺戮本能の本質」について言及した作品で、終始ダークな世界観、そしてグロシーンが平気という方におすすめな作品です。
人間だれもが持っている残虐性をここまで紐解いた作品は他にそうないのではないかと思わせる異端ぶりに脱帽しました。
映画だからこそ表現してもギリギリOKな倫理観と世界観。
しかし、その中でも今の世界情勢を反映したかのような生々しさのある内容に、観終わったあとはさまざまな考えが巡って一種のむなしさに震えました。
それと同時に、「平和」の在り方として“自由を犠牲にしてでも、徹底的な管理によって国民の安全を保障する”という、決してマイナスだけではない新しい考え方も垣間見え、今まで考えてこなかった平和の在り方についても新たに考えさせられました。
内容としては、難しめとなっていますが、単純に戦闘シーンやグロシーンなどの見どころも多いので気になる方はぜひ視聴してみてください。
監督 | 村瀬修功 |
再生時間 | 1時間55分 |
公開年月 | 2017年2月 |
受賞歴 | ー |
第12位 君の膵臓をたべたい(2018)
自分探しの旅に出たくなります
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。 「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。 「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めてボク自身として必要されている、初めてボクが、たった一人のボクであると思えた」と感じていく。(アニメ映画『君の膵臓をたべたい』のwikipedia・公式サイトより引用)
原作既読/実写観賞済です。
この作品はよく「どのバージョンがいちばんよかったか」と物議をかもされていますが、個人的にはアニメ版がいちばん刺さりました。
この作品は、悲しいラブストーリーの中の温かさに触れたい人や自分探しをしたい人におすすめです。
人を思う気持ちが、「友達目線」や「親目線」そして、「ふたりの目線」と様々な角度から描かれるので、物語の息遣いをとてもリアルに感じられます。
人と関わらず1人で自分を形作ってきた「僕」と、人と関わり生きながらも、自分を見つけられなかった「ボク」が、互いに憧れ、変わっていきます。
そして、その変化を受けての展開と結末を目にし、とても感動しました。
現代の日本人に刺さる恋愛映画です。
作画に関しても、桜や花火の作画表現が豊かで、愛おしい気持ちになりました。
- ご存知だとは思いますが、タイトルはそのままの意味ではないので、ご安心を!(タイトルで敬遠したら損します! )
- ・実写を見ている方は、アニメ版とは結構違うので、見比べてみるのも、
また一つの楽しみになるかと思います。
監督 | 牛島 新一朗 |
再生時間 | 1時間48分 |
公開年月 | 2018年9月 |
受賞歴 | ー |
第11位 空の青さを知る人よ(2019)
タイトル通りの清々しさ
山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。 二人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、二人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして、ある男の名前が発表された。金室慎之介。あかねのかつての恋人であり、あおいに音楽の楽しさを教えてくれた憧れの人。高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が、ついに帰ってくる…。 それを知ったあおいの前に、突然“彼”が現れた。“彼”は、しんの。高校生時代の姿のままで、過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会から、しんのへの憧れが恋へと変わっていくあおい。一方で、13年ぶりに再会を果たす、あかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。 (Filmarks映画より引用)
「あの花」「ここさけ」でも知られる超平和バスターズによる三つめの作品です。
もちろん今回も秩父が舞台です。
超平和バスターズの作品が好きな方は必見ですが、このシリーズを知らない方で一番見やすいのも「空の青さを知る人よ」です。
『この花』『ここさけ』とはまた違った類いの感動で、じんわりと胸の中が温かくなるような姉妹愛を味わい方はぜひご覧ください!
夢を追った青春時代、現実の壁にぶつかった30代、上京してバンドで天下取る気満々な妹、家族のために30代まで未婚の姉。
4人の登場人物たちの葛藤や過去の自分と未来の自分の対比が非常に上手く描かれていて、それぞれに違った魅力があるので誰かしらに共感を持てます。
相変わらず岡田麿里さんの脚本が素晴らしく、「心に響く名セリフ」が必ずあるという、作品への安心感がハンパないです。
あいみょんの歌もこの作品にばっちりとマッチしていました☆
夢や愛が、1つの作品に詰まった宝箱みたいな物語です。
監督 | 長井龍雪 |
再生時間 | 1時間48分 |
公開年月 | 2019年10月 |
受賞歴 | 第43回 日本アカデミー賞(2020年) |
第10位 若おかみは小学生!(2018)
小さくて大きな若女将にスタンディングオベーション!!!
小学6年生のおっこは交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることに。旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、子鬼の鈴鬼(すずき)、ライバル旅館の跡取り・真月(まつき)らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修業を始めることに!慣れない修業に、毎日失敗の連続。落ち込むおっこだったけど、不思議な仲間に助けられ、いろんなお客様と触れ合い、もてなしながら、少しずつ成長していく。 (Filmarks映画より引用)
この作品は、お子さんの自立を促したい人や、ジブリ映画が好きな人におすすめです。
主人公のおっこは小学6年生のちいさな女の子。
交通事故で両親を失って自分だけが生き残り、旅館を経営する祖母に引き取られます。
その旅館にはお化けと鬼が住んでおり、おっこしか見えません。(怖くない優しい幽霊)
そんななかで祖母を手伝いつつ、さまざまな宿泊客をせっせと迎え、ときにはお化けに助けられながら成長していく姿に、リスペクトの嵐でした。
ラストの、おっこが若おかみとして生きることを決心したシーンは、彼女の心の成長と熱意を全身で感じられて驚きを超えた感動を覚えました。
美しい映像と感動の物語が織りなす織子の物語はハンカチなしには観られない内容で、ここまで情緒的なアニメはやはり「日本が誇るアニメーション」といったところです。
作画はちょっと癖があり、子ども向けタッチで敬遠していましたが、中身を観たらこの作画だからこそ良かったなと心から感じました。
ぼくのように作画で敬遠している方にこそ、ぜひおすすめしたい作品です。
監督 | 高坂希太郎 |
再生時間 | 時間分 |
公開年月 | 2018年9月 |
受賞歴 | 第42回 日本アカデミー賞(2019年) |
第9位 パプリカ(2006)
こういう夢ホントに見るんだけど…笑
パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。 (『パプリカ』のwikipediaより引用)
独特な世界観にのめり込みたい!個性的な作品を観たい!というかたにおすすめです。
世界観がとにかく凄い映画で、観ている側はとても混乱します。
登場人物と同じくらい、現実と夢の境界線が無くなっていきますw
「今敏監督の頭の中はどうなっているのだろう」という興味と尊敬が止まりません!
支離滅裂でサイコな夢のシーンは、どれもインパクトが凄すぎて、ボクの語彙力では全く言葉で表現できないのが辛くて泣きます(笑)
特に作中で出てくる日本人形は、夜中観ていたのもあって怖かったのを鮮明に覚えています。(震え)
理解が追いつかないまま、登場人物と同じように夢か現実か分からない世界に晒されている不思議な感覚になり、90分という短い尺をまったく感じさせないほどの濃密な時間を堪能できました。
監督 | 今 敏 |
再生時間 | 1時間30分 |
公開年月 | 2006年11月 |
受賞歴 | ー |
第8位 おおかみこどもの雨と雪(2012)
「母は強し」とはまさにコレ。
いまや全世界が待望する、細田守監督の最新作は「母と子の物語」。おとぎ話のような不思議な恋をした女性・花は、おおかみこどもの姉弟、”雪”と”雨”を育てることになる。「親と子」という普遍的なテーマを、人間とおおかみの二つの顔をもつ ≪おおかみこども≫ というファンタジックなモチーフで描く。いまだかつて誰も見たことがない傑作が誕生する。(アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』のwikipedia・公式サイトより引用)
家族の物語が好きな人、母の強さとは何たるかを知りたい人におすすめです。
普通の人間の女性が、おおかみ男と恋に落ち、二人の”おおかみこども”が産まれたというのが大まかな設定です。
おおかみこどもたちは、人間社会をどう生きていくのか、周りの人たちとどう関わっていくのかというところが本作の見どころです。
おおかみこどもたちを観ていると、人間に正体がバレてしまうのではないかと、ドキドキしたり、ヒヤヒヤしたり、ほっこりしたりと、母親のような目線で見てしまうのが新鮮な感覚でした。
そして、おおかみこどもの母である「花」が母親の手本のような人で、とってもいい人です。
「花」が母親としてのしたたかな頑張りがあったからこそ、周りの人に助けられ、こどもたちも人間社会に馴染めていけたんだなとしみじみ尊敬しちゃいました。
「大人」になった雨に向かって、花が叫ぶラストシーンがあります。
子を想う母の全てが、そのセリフに全て詰まっているような気がして衝撃が走りました。
心をほっこりしたいときに観てほしい作品です。
監督 | 細田 守 |
再生時間 | 1時間57分 |
公開年月 | 2012年7月 |
受賞歴 | 「 第36回 日本アカデミー賞(2013年)」 優秀アニメーション作品賞 |
第7位 サマーウォーズ (2009)
見るだけで青春を取り戻せる
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界、OZ(オズ)。そのメンテナンスのアルバイトをしている高校生の健二は、憧れの夏希先輩から田舎に行くというアルバイトを頼まれる。気楽に応じた健二だったが、実は夏希の本家とは武家の血筋を受け継ぐ旧家、陣内家であり、曾祖母である烈女・栄のために夏希のフィアンセのふりをするというアルバイトだったのだ。さいわい栄は健二を認め、芝居は平穏のうちに終わるかに見えたが、その夜健二はケータイに届いた謎の数式を、数学の問題と考えて解いてしまう。しかしそれは、OZ世界を崩壊させ、現実世界をも混乱させる大事件の幕開けだった。(アニメ映画『サマーウォーズ』のwikipedia・公式サイトより引用)
恋、青春、友情、家族愛のどれかにピンと来た人全員におすすめします。
「サマーウォーズ」は、仮想現実と現実を上手く組み合わされたストーリーと設定が逸品です。
物語の舞台となっている田舎の風景が、バーチャルネットワーク社会とは対照的で、当時インターネットが急速に普及したことに対する風刺のような印象があり、2020年の現在こそ思いっきり刺さる映画だと感じます。
ただ側にいること。
救う者と救われる者。
許す者と許さない者。
託す者の信頼と託される者の使命。
そしてみんな揃ってごはんを食べること…。
窮地に立たされた人がなにを考え、何を想うのか。
時代が新しくなるにつれて見えなくなりがちな大切なモノを取り戻してくれるような映画です。
監督 | 細田 守 |
再生時間 | 1時間54分 |
公開年月 | 2009年8月 |
受賞歴 | 「 第33回 日本アカデミー賞(2010年)」 アニメーション作品賞 |
第6位 時をかける少女(2006)
和子のジャンプ力に注目
ある日、中学3年生の少女・芳山和子は、同級生の深町一夫や浅倉吾朗と一緒に理科室の掃除を行っていた時に、実験室でラベンダーの香りを嗅いで意識を失う。その3日後、和子の周囲にはいくつかの事件が起こる。深夜に起こった地震により、吾朗の隣の家が火事になる。そして、その翌日に吾朗と共に交通事故に巻き込まれそうになった瞬間、和子は前日の朝に時間を遡行する。もう1度同じ1日を繰り返した和子は、一夫と吾朗にこの奇妙な体験を打ち明ける。最初は信じなかった2人も、和子が地震と火事を予言した事で、和子の話を受け入れる。3人の話を聞いた理科の担任である福島先生は、和子の能力はテレポーテーションとタイム・リープと呼ばれるものであることを説明し、事件の真相を知るためには、4日前の理科室に戻らなければならないことを指摘する。 やがて自分の意思でタイム・リープを行えるようになった和子は、4日前の理科実験室で正体不明の訪問者を待ち受ける。そこへ訪れたのは、深町一夫であった。一夫は自分が西暦2660年の未来で暮らしていた未来人であると語り、未来では採取できなくなったラベンダーを得るためにこの時代にやってきたのだと説明する。さらに和子や周囲の人間が持っている一夫の記憶は催眠術によるものであり、実際に和子が一夫と過ごした時間は、1か月程度であることも打ち明ける。しかし、その1か月の間に一夫は和子に好意を抱くようになっていた。タイム・リープのための薬品を完成させた一夫は再び未来へ帰還するが、その直前に、和子の前にいつか再び別の人間として現れることを約束する。 タイム・リープの秘密を守るために和子や他の人々から一夫の記憶は消されてしまうが、和子は心の底に残るいつか再び自分の前に現れると約束した誰かを待ち続けるのだった。(『時をかける少女 』のwikipediaより引用)
ループもの/学園モノが好きな方におすすめです!
主人公は自在にタイムリープができ、タイムリープするたびに状況が悪化していくというスラップスティックな展開は、当時としては新鮮でかなり興奮したのを覚えています。
今思えば、タイムリープ独特のもどかしい孤独感は中毒性があり、このジャンルにハマるきっかけになった原点の作品かもしれません。
タイムリープは誰しもが一度は憧れる能力ですが、冷静に見ていくと、誰とも共感できないわ、孤独だわ、未来がどんどん改悪されていくわで、悲しい能力ともいえる気もしました。
いっぽうで、この作品を観ていると、にぎやかな学校生活、しみじみとした穏やかな街並み、3人のキャッチボールなどのシーンといった青春カットが盛りだくさんで、甘酸っぱい気持ちが沸き起こります。
主人公のどうにもならないもどかしさ、前のめりな気持ちに、思わず背中を思いっきり押してあげたい気持ちで溢れます。(父のような気持ちになるw)
ラストの「未来で待ってる」のひとことは反則です。
切ないけどほろ甘い恋物語です。
監督 | 細田 守 |
再生時間 | 1時間38分 |
公開年月 | 2006年7月 |
受賞歴 | 「 第30回 日本アカデミー賞(2007年) 」 アニメーション作品賞 |
第5位 心が叫びたがってるんだ。(2015)
人と関わることの苦しさと楽しさを思い出す。
幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。 そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。(アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』のwikipedia・公式サイトより引用)
自分の殻を破りたい人、順ちゃんの成長を見守りたい人におすすめ!
人と人とを繋げるのが“言葉”。
それを自ら封印した順(かわいい女の子)は、自分の殻に閉じこもり他人との関わりを断つことを選びます。
他人と交わらない世界であれば、他人を傷つける事もないし、自分が傷つく事もない。
しかし、色々な人との関わりの中で、ついにその殻を破ろうと決心する順。
この作品では、それらの過程において、人と関わることによって得られる幸せと苦痛の両方がしっかりと描かれています。
人間は矛盾する生き物で、相手に好きという気持ちと、嫌いという気持ちを同時に抱くのはよくあることで、そうやって頭の中で渦巻いてるものを言葉にすることってなかなかできないものです。
そういった誰しもが人間社会を生きていく中でぶつかるであろう壁に対して、果敢に立ち向かっていく勇気を与えてくれる作品です。
監督 | 長井 龍雪 |
再生時間 | 1時間59分 |
公開年月 | 2015年9月 |
受賞歴 | 「 第39回 日本アカデミー賞(2016年) 」 優秀アニメーション作品賞 |
第4位 さよならの朝に約束の花をかざろう(2018)
母性とは。
一人ぼっちが 一人ぼっちと出会った 出会いと別れが紡ぐ永遠の一瞬 少女はその時 愛にふれた 『あの花』『ここさけ』の岡田麿里、初監督作品。(アニメ映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』のwikipedia・公式サイトより引用)
この作品は世の親全員におすすめな作品です。
不老長寿の種族イオルフの女性マキアが、人間の少女エアリルを育てる話で、そこには子育ての素晴らしさや、愛の美しさが詰まっている作品でした。
イヨルフは”別れの一族”と呼ばれ、別れが付き物な種族です。
なので、イヨルフ以外を愛してしまえば、結局最後には1人になってしまう…。
イオルフとマキアの時間の流れは明らかに違い、マキアの見た目は変わらずともエアリルはどんどん大人になっていきます。
その見た目が逆転していく現実を突きつけられた2人の関係はどうなるのかが見所です。
ラストシーンの名言と音楽が最高すぎてずっと余韻に浸っていたくなるような作品でした。
第3位 聲の形(2016)
言葉には責任もつ。リアルでもネットでもね。
将也は小学生の時に転校してきた聾唖者ろうあしゃの西宮の事が気になるが、うまくコミュニケーションが取れずいじめてしまう。
それが原因でまた転校してしまった西宮。
自分の犯した罪に苛まれ次第に孤立する将也。
しかし、時は高校に移り、将也は再び西宮に会い運命の歯車はまた動き出す...
人と人とのコミュニケーションについていまいちど考え直したい人におすすめです。
耳が聞こえない少女やいじめをテーマとしたかなりデリケートで扱いづらい内容ですが、世の中の問題に対し、真正面からぶつかり見事に勝利した作品ともいえます。
この作品は、もう序盤から胸が痛くなるし、目も耳も当てられないような描写だと感じつつも、その後のストーリー展開においては、人間特有のきめ細かさ、醜くさ、面白さ、美しさを非常に丁寧に描いてくれました。
言動や行動には責任を持つことの大切さ、助け合いの気持ちを持つことの尊さを学ぶことが出来ました。
ありがとう。
監督 | 山田 尚子 |
再生時間 | 2時間9分 |
公開年月 | 2016年9月 |
受賞歴 | 「 第40回 日本アカデミー賞(2017) 」 優秀アニメーション作品賞 |
第2位 この世界の片隅に(2016)
学校で流してほしい。
1944年(昭和19年)2月、18歳のすずは広島から軍港のある呉の北條家に嫁ぐ。戦時下、物資が徐々に不足する不自由さの中、すずは持ち前の性格で明るく日常を乗り切っていたが、翌年の空襲によって大切なものを失う。広島への原子爆弾投下、終戦。それでもすずは自分の居場所を呉と決め、生きていく。 (『この世界の片隅に』のWikipediaより引用)
「この世界の片隅に」では、当時の美しい街並みや、穏やかで慎ましく生き抜く人間性などの情緒的な部分に焦点が当てられているので、辛い時代の中で生きる人の強さが物凄く伝わり感動しました。
優しい絵のタッチで描かれるキャラクターたちの、戦時中とは思えない明るい会話や生き方を見ていると”戦時中でも強く生きている人たちの側面”を少し知れたように思います。
戦時であれど希望の光は失わない力強さに畏敬の念を払わずにはいられません。
子どもや、凄惨な描写が苦手な方でも見やすく描かれているため、戦争を経験していない現代の子供から大人まで戦争を知るきっかけとなる映画になるでしょう。
”当時の人の心や日常”をここまでしっかりと描いた映画作品はこの作品をおいてないと脱帽すると同時に、こういった作品こそ後世に語り継がれてほしいと強く思いました。
余談になりますが、主人公すずのマイペースで温和な雰囲気は、この作品に無くてはならない最大の癒しです。
2019/12/20に公開された「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」も最高でした!!
概要としては、 「この世界の片隅に」の世界をリンとの出逢いのシーンをメインに、すずの本質の部分をより深掘りした作品です。
いずれの作品をセットで観ることでこの世界観を十二分に味わうことが出来ます。
※dvdレンタル/vod配信の情報が入り次第追記します!
監督 | 片渕 須直 |
再生時間 | 2時間6分 |
公開年月 | 2016年11月 |
受賞歴 | 「第40回 日本アカデミー賞(2017年)」 優秀アニメーション作品賞 |
第1位 君の名は。(2016)
時空を超えた入れ替わりラブストーリー
新海誠監督による長編アニメーション。
千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。
「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」
そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。
一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。
繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。
「ボク/俺たち、入れ替わってる!?」
いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。
「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」
辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。
出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す(アニメ映画『君の名は。』のwikipedia・公式サイトより引用)
この作品は夫婦やカップルで見るのがおすすめ!
好きな人がいる人はタイムリーにおすすめです!
「君の名は。」では、街や背景がとてもリアルに描かれていて、新宿御苑や四ツ谷の実在の建物が出て来ることで”聖地巡礼”が話題になった作品でもあります。
(この映画を改めて復習してから、ボクもいずれ訪れたいと考えています♪)
入れ替わりネタは、過去にアニメや実写で様々な映画が作られていますが、過去のそれらとはまた一風変わったテイストに仕上がっています。
設定自体はフィクションだと分かっていても、街並みと風景、情景描写をリアルに描くことでファンタジーな部分を巧みに相殺して、現実感を出したのも人気のヒミツ。
この映画では、入れ替わりというテーマを使って何を伝えたかったのか。
それについては、新海監督のインタビューで、以下のように触れられています。
「人生には出会うべき相手がいるというテーマ、
つまり「運命の人って、いるんだよ」ということですよね」
運命の相手…ストレートでドキッとします…。
また、監督は”入れ替わりはひとつの手法である”とも話していて、その手法を活かしきったからこそ、2人がお互いのことを少しずつ知っていく過程をコミカルに描くことに成功したのだなと電気が走ったような気持ちになりました。。
そして、この作品における入れ替わりにはもう一つ仕掛けがあります。
それは、皆さんご存じ、二人の流れている時間軸が違うという点です。
三葉
は3年過去を生きていて、瀧は少し先の未来を生きています。
時空を超えた入れ替わりという大胆な設定が、作品に大きな考察の余地を与えています。
皆さんも、誰かとすれ違ったときに「初めて会った気がしない」という経験をしたことがあるかもしれません。
覚えていないだけで、実は皆さんもどこかで「運命の誰か」と会っているのかもしれませんね。
そんな出会いが本当にあるかないかは別にして、そう考えてみたら世の中は不思議で素敵だなって感じます。
「運命は一度掴んだら大事に大事に、離さないようにしよう。」なんて思いで溢れる映画でした。
監督 | 新海 誠 |
再生時間 | 1時間47分 |
公開年月 | 2016年8月 |
受賞歴 | 「第40回 日本アカデミー賞(2017)」 優秀アニメーション作品賞 優秀監督賞 話題賞 |
まとめ
いかがだったでしょうか。
ランキングを作成して初めてわかったことなんですが、どうやらボクは細田監督作品がすきにある傾向があるようです。(新しい発見)
こうしてラインナップを見ていると、
「日本に生まれてきてよかった」
としみじみと思えるような作品ばかりだと思い知ります。
特に新海監督の「君の名は」の解説は、つい気持ちが入りすぎて長々となってしてしまい、すみませんでした。(笑)
余談ですが、超ロングヒットランの「天気の子」はいまだに、レンタル日やVOD配信日などが未定なので今回のランキングには含めませんでした。
本日おすすめしたアニメ映画のラインナップは、どれも動画配信サービスで観られる作品なので、まだ利用したことのない方はこれを機会に無料トライアルを試してみてはいかがでしょうか。
それでは記事をご覧いただき、まことにありがとうございました。
またお会いしましょう☆
