- 偽物の速読法でなにも上達しなかった
- 本物の速読法を身に付けたい
- そして速読術で年収をがっつり上げたい
今回は「本当の速読」のやり方について説明していきます。
わざわざ「本当の」と付け足したのは、世の中にあふれている速読法がまじで使えないと感じているからです。
うさんくさい速読本に書かれていることは、「飛ばして必要な情報だけ抜き出せ」とか「目で文字を速く追う方法」、サイアクなものの中では、「一冊を5分で読む方法」といったような類の速読書まであります。
しかし、これらを会得したところで、その知識は血肉となるのでしょうか。
少なくとも私にはほとんどの意味をなしませんでした。
そんな葛藤を抱えながらも、速読への探求をやめずにいたおかげで、たった一冊だけ、「真の速読術」について網羅的に語られていた本を見つけることができ、私の速読人生がガラリと変わりました。
その本が「年収が10倍になる速読トレーニング」です。
本日は、私の速読人生においてかけがえのない一冊となったこの本を、自分なりに要約してみました。当記事を読むだけで、本物の速読術を習得することができます。
読書をする意義は「著者との対話」にある

まずはじめに、聞かせてください。
あなたが読書する理由はなんでしょうか。
必要な情報を得たいから?知識を増やしたいから?
その程度のことなら、正直にいいますと本屋に行って本を買う必要はありません。なぜなら、そのくらいならGoogle検索でじゅうぶん事足りてしまうからです。
読書をするという意義は、「著者との対話」にあります。
それには、単なる「情報収集」を超えた、知的好奇心を満たすものがあり、そこに新たな英知を発見する感動があるはずなのです。
人生を今よりも豊かにし、あなた自身を成長させるきっかけをつくってくれるもの。
それが本を読むという行為です。
この定義がズレたまま、速読を何百冊しても効果が薄くなってしまうことは明白だったので先に説明させていただきました。
- 読書とは著者と読者が一対一で向き合う行為である。
- 読書とは新たな英知を発見する感動がある。
- 読書とは、人生を今よりも豊かにし、あなた自身を成長させるきっかけをつくってくれるものである
従来の速読の致命的な弱点
冒頭でも触れましたとおり、従来の速読術には致命的な弱点があります。
従来の速読法の弱点がわかることにより、これから伝える「真の速読方法」への理解が深まりますので、まずは従来の速読法の弱点をそれぞれ見ていきます。
従来の速読術は飛ばし読みにしか過ぎない
巷で流行している速読術は断片的な記憶しか残りません。
なぜなら単純に飛ばし読みしているから。
欲しい情報(キーワード)をあらかじめ明確にして、拾い上げるようにして読むやり方は一見、欲しい情報だけを短時間で手に入れているように思えますが、それは時間とお金の無駄です。
なぜなら前述したとおり、欲しい情報が決まっているのであれば、ググれば無料ですぐに出てくるからです。
本をわざわざ買う以上、筆者が語ろうとしている内容の本質まで理解しなければ意味がありません。
逆に、そこを理解するための速読は大いに費用対効果の高い読書になります。
従来の速読術はゴールがあいまい
速読は判断基準がとてもあいまいで、早く読めたらそれでOKなのか?説明はどの程度できるレベルになればいいのか?といったように、何をもって速読のゴールとするのかがあいまいなのが多いです。
しかも、そのゴールが「本のあらすじを他人に語って聞かせられればOK」くらいのものだったり、「一冊5分で読めればOK」だったり、その内容をどれくらい理解できているかという、いちばん大切なポイントが無視されている印象を受ける速読本も多いです。
従来の速読術は無意味な眼球の訓練をさせられる
速読スピードと眼球移動に因果関係は正直いって関係ありません。
というと「いやいや、本の文字を追うのに動体視力は必要だろう」と思う方もいるかもしれませんが、よく考えてみましょう。
単行本の見開き二ページ分の活字を視野に入れるレベルのことは、視力になにかしらの問題がある方を除いて、誰でもできるはずです。
あなたの視界に見開き二ページ分を入れることができる時点で、速読トレーニングに視野の幅を広げる訓練は必要がないことがわかります。
残念ながら、このトレーニングは私サーしか役に立ちません。
真の速読とは高速で「完全理解」すること

さて、読書をする意義と従来の速読術の弱点を理解できたところで、次は「真の速読とはなにか」を理解していきましょう。
冒頭でも述べたとおり、今までの速読術で教えてくれたのは、いかにページを速くめくるかという情報ばかりでした。
このとき、中身よりも「タイム」に重きを置いているのが速読術だと言われているような気がして非常に違和感を覚えました。
にわか速読術を信じてパラパラとページをめくることが快感になっている方を除けば、私と同じような違和感を抱いているかと思います。
そんな方たちに向けて、真の速読の「目的」を大きく2つに絞っていきます。
(一)これまで通りの速度で読んで理解できていたものと「同等のレベル」の理解度を目指す
上っ面の知識だけ拾い集めて「理解した気分」になる読書法は意味がありません。
真の速読では、今まで普通のスピードで読んできた理解度と同等の結果を出すことを目的としています。
もし、実際に従来の速読方法を試したうえで、断片的な知識しか得ることができなかったという方がいるなら、かなり参考になりますのでお楽しみを。
(二)読書時間は初期目標は2倍速をめざします。
例えば、これまで4時間かかっていた読書を2時間で読めるようになるということです。速読としては、大したことがないように思えるかもしれませんが、2倍速で読むのはあくまで「初期目標」。
本記事では、最終的に6倍速く読めるようになることを目標にしています。6倍というスピードは、無理して早く読んでいるわけではありません。
例えるなら、恋愛小説をこのスピードで一字一句見逃さず読んで、内容を理解したうえで感動し、涙を流すことも可能なレベルです。
さて、たいへんお待たせしました。ここからはいよいよ、苫米地式速読術の実践的な速読方法を解説していきます。
ハイサイクル・リーディング

ハイサイクル・リーディングとは、人間の活動における体感速度を意図的に上げることで速読を実現する方法です。
この、体感速度を上げることを著者は「クロックサイクルを上げる」という言葉を使っているのでこの言葉をそのまま借りて説明していきます。
クロックサイクルを上げて、ハイサイクル・リーディングを実現するには、大きく分けて5つの技術の習得することが条件です。
ちなみに、どれか一つを習得するだけでも読書スピードはかなり上がります。
ステップ1:IQを育てる
速読をするにはIQが必要です。
なぜIQを上げることが速読に関係するのか。
IQが高い人は、文字情報を頭の中で、臨場感をもって想像する能力があるからです。
想像する能力がある
↓
文字をイメージとして捉えられる
↓
文字を読むのが早くなる
では、私のような凡人がIQを高めるにはどうすればいいか?
ここで著者がおすすめしている本が「小説」なのです。(特にノンフィクションの経済小説)
なぜなら、小説は立体的なイメージを必要するほか、断片的な事象を頭の中でつなぎ合わせる作業が必要だからです。
小説を読み込んでいくと、本に書かれた難しい言い回しや、筆者の伝えたい真意などの理解にも次第に慣れていき、あなたにも本の全体をイメージとして捉えることが可能になります。
まとめますと、速読意識を育てるには、まずはIQを高めること。そのためには、小説をありありと想像しながら読むことが、速読技術取得の必須条件ということになります。
- 年収と読書量は正比例する
- 日本人のほぼ半数が月に一冊すら本を読んでいない
- 日本人の中では月に三〜四冊読めば、読書量トップ10%に入る
ステップ2:早読みの習得
次に習得してほしい技術が「早読み」です。
これは、めちゃくちゃ単純で、「多少無理してでも速く読もうと思って読む」ことです。脳に汗かくやつ。
実は、初心者が速読法で一番効果が出やすいのは、この早読みなんです。なぜなら、今まで”本気”で早く読もうと思ったことがないはずだから。
真剣にやってみると、思った以上に速く読めることがわかると思います。
最初は疲れますが、早読みを標準スピードにしてしまえば、読書所要時間を半分近くにまで縮めることはわりと簡単にできることがわかります。
まずはこの方法をトライして、慣れたら次のステップである「先読み」にチャレンジしましょう。
ステップ3:先読みの習得
次のステップは、先読みです。
先読みとはズバリ、「2行目も意識して読む」ということです。
具体的なやり方を説明します。
文章を読むときは、意識しなくとも他の行も視界に入っていますよね?
このときに、2行目(次の行)も1行目と同じよう意識するのです。2行目を意識するだけで、既視感が生まれ、あたかも知っているような気分で次の行を読み進めることができます。それが結果的に読書スピードを上げるのです。
先読みをするときのポイントは、2行の間の行間に目線を合わせることです。
注意点は、意識をするだけで2行同時に読もうとしないこと。同時読みをしてしまうと、本来読むべき行が読めなくなってしまう、いわゆる「従来の速読の罠(読んだ気になる)」にかかります。
ステップ4:自分自身のハイサイクル化
ここまでの技術でも、読書スピードは格段に上がっているはずです。しかし、ハイサイクル・リーディングの完成には足りないものがまだあります。
それは、「自分自身のハイサイクル化」です。
といっても初めて聞いた方は謎すぎますのでカンタンに説明します。
「自分自身のハイサイクル化」とは、自分自身の理解力、判断力、行動力、そして動きそのものを加速させることです。
感覚としては、自分自身の日常速度が上がり、それがあなたの「標準スピード」になれば、必然のごとく読書スピードは上がるというニュアンス。
とはいえ、これだけでは具体性が欠けていてわかりづらいと思うので「自分自身のハイサイクル化」をさらに「思考の加速化」と「行動の加速化」に細分化して説明していきます。
思考のハイサイクル化
思考のハイサイクル化は、あらゆる事象をイメージとして認識する方法です。
これを読書で例えてみます。
読書の場合は、文字を「文章」として理解しようとするのではなく、「段落ごとにある色や形でイメージ」してしまうのです。
イメージするものは、自分がわかりやすい抽象的なイメージでOKですが、後から思い出すときに、あなたの中でしっかりと結びつくイメージを選びましょう。(人によって物事のイメージに対する思い入れは違うため)
最初はイメージ化に時間がかかって、かえって読書ペースが遅くなることがありますが、訓練を重ねるごとに「イメージ記憶」の能力が上がります。
結果的に読書スピードが上がるだけでなく、日常のタスク処理能力自体も跳ね上がります。
行動のハイサイクル化
行動のハイサイクル化は、朝起きてから寝るまでの作業のすべてを意識的に速くし、それを「標準化」することです。これは、ステップ2の「速読み」を生活全般に拡大したものと考えます。
行動の加速化を読書で練習するには、「早口で文章を読み上げる」という方法があります。
このときの注意点は、可能な限り早く読み上げ、どんどんトップスピードを上げるイメージを持つこと。その中で、文章はしっかりと理解することです。
合格点の基準としては、「言葉を読み上げた瞬間、その意味が脳内でイメージ化できている」ようになればOKです。
ちなみに、事実をもとにロジックが積みあがっていくノンフィクション型の本のほうが練習に向いているようです。(前述した経済小説など)
真・キーワードリーディング

キーワードリーディングとは、特定キーワードの拾い読みをすることで、著者の考えや情報の本質を見つけ出す技術です。
やり方はカンタンで、「私は」や「例えば」といったキーワードを拾い、その前後の文章を読むことで、著者の考えや情報をすぐに見つけ出すことができるといった具合です。
キーワードリーディングの使い方
キーワードリーディングの使い方は、「著者が見ている世界を共有する」ことです。こちらはカンタンなステップにしてみました。
この読み方を覚えれば、著者との対話は容易にできるようになるでしょう。
1.目次、あとがきを最初に読む
目次、あとがきを最初に読んで、著者はどのようなことを伝えたいのか、どの立場の人間なのかをありありとイメージして、著者が大事にしているキーワードを探します。
2.著者の重要性で本を読む
自分にとっての本で知りたい重要性はいったん隅に置き、著者の重要性で本を読み進めていくことで本の内容を把握します。
すると、次第に筆者と同期することができて、その本における本質部分を知ることができます。
まとめますと、自分が欲しているキーワードは使わずに、著者が伝えたいメッセージをキーワードにして、本質を理解しようということです。
キーワードリーディングの注意点
キーワードリーディングばかり使って本を読んでいると、せっかく本を読んでいるのに新しい情報が全く入ってこなくなるという危険があります。
なぜなら、読書によって新しい知識を得るどころか、キーワードで絞ることによって新しい知識が入ってこなくなるからです。
自分にとって都合の良い情報しか拾わなくなってしまい、本来の読書の意味とはかけ離れていってしまう危険性があります。
この技術は、あくまで著者の哲学を深く知りたいときに使うテクニックということを忘れないようにしましょう。
まとめ

いかがだったでしょうか。
以上が速読法についての新しい見解が書かれた「年収が10倍になる速読トレーニング(著:苫米地英人)」の要約でした。
今回は、速読法だけにフォーカスしたので、速読をする際のマインドセットや応用方法など、深く語られていない部分がたくさんあります。
もし苫米地式の速読法をもっと詳しく知りたい方は手にとって読んでみてください。それではまた!